gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

緯度の低い地方の人々

学生時代以来、緯度の低い地方を旅することが多かった。

今、改めて地域の気候を思い出すと、熱帯雨林か、砂漠か、という両極端な地域を旅したことになる。

熱帯雨林は自然の恵みが豊かであるがゆえに、人々はあまり移動を必要としない。文明を受け入れない未開社会が残っている。お金に対する執着はほとんど感じられない。

砂漠に生きる人々は、生活に必要なものを得るために移動しなければならない。お金に対して敏感で、他人を見る目に鋭さが感じられる。

(もちろん、気候以外にも様々な要因が作用するので、単純に分けられることではない。単に私が出会った数人の顔を思い出しながらこれを書いているにすぎない。)

熱帯雨林は、20世紀からどんどん減り始め、その多くが砂漠化しただろう。自然の恵みと引き換えに、たくさんの人間が世界経済に組み込まれていっただろう。

そう、中くらいの緯度に住む人々は、緯度の低い地方を犠牲にして国を繁栄させてきたのだ。逆に言えば、緯度の低い地方は、自然の恵みという“犠牲になれるだけの実力”を持っていた。世界を支えたのは、結局のところ、それではなかったのか。

今はもうよく分からない。どこもここも疲弊してしまったのか?それとも、地球にはまだ十分な力があるのか?

ニュースは今日も人々が殺し合っていることを伝える。その多くは、緯度の低い地方の人々について、だ。

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