ネルソン・マンデラが南アフリカ共和国の大統領になり、アパルトヘイト撤廃後の黒人と白人をひとつにするために、自国開催のラグビーW杯の優勝を目指し、そして成し遂げた話。
ネルソン・マンデラが来日したときの話は前に書いた。
http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20090502
27年間の刑務所暮らしの末に、彼をそんな目に遭わせた白人たちを赦し、それまで南アでは白人のスポーツであり、アパルトヘイトの象徴的存在だったラグビーのナショナルチームをバックアップし、最後には黒人全員をラグビーファンにしてしまう、という夢のようなストーリーだ。だが、これは実話なのだ。
「自分が持っている以上の力を出してもらわなくてはならない。そのためにはどうすればよいか。」
彼がチームの主将にかけた言葉だ。彼は、詩の力によって、27年間負けないで生きることができた、と言う。
詩や歌の力が、困難に立ち向かう人々を奮い立たせる。それを誰よりも知っている人が国のトップになったから、奇跡が起こったのだろう。
それにしても、2m×2mの独房で、つまり、たった一人で、詩によって自分を奮い立たせることができたネルソン・マンデラは、なんと強靭な心の持ち主だろう。
この世を導くものは、そのような「感性」である。