なぜ詩人は詩を書くのか。
詩人とは書かずにはいられないほど、言葉があふれ出る人のことを言うのだろう。彼が生きるためには、書く必要があるのだ。
逆に、生きるために書く必要がある人は、すべて詩人と呼べるのかもしれない。
のっぴきならないところから発せられる言葉しか、力は持てない。たぶん、それを嗅ぎわける嗅覚は全ての人に備わっている。
だから、ときに人は、言いたいことを言ったときよりも、言いたくないことを言ったときにこそ、人の心を動かすことがあるのだ、と思う。
言いたくないことを言ってしまうのは、言葉があふれ出るからである。そのほとばしりを止めることができなかったからである。