例えば、今日行ったチェーン店について自分のブログで語りたいと思う人はどれくらいいるだろうか。おそらく少ないだろう。それはなぜか?それは、経営者側が客としての自分を一般大衆として見ている、という先入観がはたらくからだろう。
好かれてもいない人のことを好きにはなれない、という気持ちに似ているかもしれない。客とチェーン店の関係は、とてもドライである。
ドライだから楽である、という点はもちろんある。いつも通うお店でも、そこにいる人は他人なのだから、気を使う必要が全くない。
また、日本人特有の恥の文化が、必要以上にドライにさせるのかもしれない。店員との関係も、お互いに「たくさんの中のひとり」になることが多い。地域密着型でコミュニティを形成するようなチェーン店はごく少ないだろう。
ただ、最近変わってきた部分も感じる。例えば、コンビニの店員さんに中国人が増えてきた。中国人には、日本人と比べて、人との距離を近くとる人がいる。よく来る顔を憶えていて、親しげに話しかける人の割合が高い。
日本語が片言であることも、実はそれを促進する要因である。日本語には、客との関係で使われるべき敬語が多く、その敬語自体が客との距離を生む。外国人として日本人の客に話しかけるならば、敬語が間違っていても不自然ではなく、誰も失礼だとは感じない。ざっくばらんな雰囲気が生まれ、距離が近くなる。
私にはその距離感が心地よく感じられる。遠すぎず、近すぎず、というところを望んでいる人が多いのだろう。
今後、外国人が日本のチェーン店のあり方を変えていくのかもしれない。
(つづく)