gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2010.6

ローラー・ゲーム

小学生の頃、土曜の午後は「ローラー・ゲーム」という番組を観た記憶がある。トラックをローラースケートでぐるぐる回りながらプロレスをする、という感じのショーである。なんだか、不思議な番組だった。なんじゃ、こりゃ?という感じで始まり、あっという間…

マテリアルス プロジェクトイメージ

マテリアルスの存在は、どのような店舗空間を可能にするだろうか。

映画 ディア・ドクター

無医村に招かれた医者は、実はニセ医者だった。そして、そのニセ医者は、決して、いわゆる心のきれいな人間ではなかった。しかし、彼は、次から次に来る患者に対応する中で、診療にのめり込む。そうしているうちに3年半が経ち、彼は村の誰からも慕われるよ…

マテリアルス その後

アーティストたちと手を組んで、私たちの設計で店舗をつくっていこう、というプロジェクト、マテリアルスは、現在、実際のプロジェクトにかかろうとしている段階に入った。どのようなものができあがるか、これが一番楽しみである。明確にイメージできないも…

ワールドカップ

お祭りは大好きだ。みんなが浮かれているのに、自分だけ冷静でいるなんてできないし、もったいない。にわかサッカーファンになって、盛り上っている。人生、こだわるべきところはひとつでいい。最近、一貫して1対1の関係が大切と主張しているが、とはいって…

頑固であること

先日、一緒に飲んだ友人のひとこと。「奥さんに一番必要な資質は、頑固であることだと思う。」「よくかわいい方がいいとか、従順な方がいいとか言うけど、そんなことよりも、頑固であることがはるかに僕を助けてくれる。まちがってる、と思ったら、絶対許さ…

映画 風花

なんだか、こんなふうになってしまったね。仕方ないね。・・・些細な失敗で、エリート官僚の座を転げ落ちた男と、実家に子どもを預けたまま5年経った、既に若くはない風俗嬢。二人の旅。二人とも、映画の中では、仕事をしない。だらだらと旅を続ける。とうとう…

情報化社会

いいことよりも悪いことのほうが情報として価値があるらしい。報道は必然的に暗い話題ばかりになる。ならば、情報化社会とは、極端に言えば、100回いいことをしても、1回悪いことをしたら、潰される社会ともいえる。いいことも悪いことも一つもしない人…

自由であること

今、PCを前にして、何を書こうかと考え、そして、何を書いてもいい、という事実。これ以上、幸せなことがあるだろうか。そして、自分の持っているものすべてを結集して、いい空間を設計しようとし、そして、何を設計してもよい、という事実。これ以上、幸…

暴力的なもの

チュニジアの海辺のリゾート地スースで、ひとり海辺を散歩した。フランス人を中心にたくさんのヨーロッパ人が休暇を過ごす町である。チュニジア人が集まっている場所を通りがかると、数人の40代くらいの男たちのグループから声がかかった。彼らは昼間から…

チェーン店について 3

日本が戦後の高度成長を経て、得たものの一つは、脱共同体の場所としての都会生活であろう。共同体の規則に従った窮屈な生活から逃れて、都会で暮らすことの開放感は「1対多」の関係性を次々に生み出し、人は人ごみに紛れて生きるようになった。やがて、そ…

チェーン店について 2

例えば、今日行ったチェーン店について自分のブログで語りたいと思う人はどれくらいいるだろうか。おそらく少ないだろう。それはなぜか?それは、経営者側が客としての自分を一般大衆として見ている、という先入観がはたらくからだろう。好かれてもいない人…

映画 エリ・エリ・レマ・サバクタニ

タイトルは「神よ、神よ、なんぞ我を見捨てたもうや」というイエスが十字架に張り付けられ息を引き取る直前に叫んだ言葉である。自殺したくなる病「レミング病」が蔓延する社会。二人組のミュージシャンの奏でる音だけがこの病から人を救うことができる。そ…

チェーン店について 1

コーヒー屋のチェーン店にはよく行く。チェーン店的な空間はつくりたくないし、基本的に嫌いだが、なぜか入ってしまう。なぜだろう、と考えてみた。スタッフ002によると、考えごとをしているときは、チェーン店が好ましいそうだ。チェーン店はニュートラ…

コブタとチュチュ

西荻のAmy's Bakeshopが完成した。その看板娘である。

未来を思い描くとき

どのようなことにおいても、未来を思い描くとき、「する」という視点で考えるときと、「なる」という視点で考えるときには、全く別の答えが導かれるだろう。「する」という視点で考えるときは、人間を条件で見る。これができる、これはできない、などと考え…

駄菓子屋にて

小学生の頃には、まだ駄菓子屋があった。甘納豆の小さな袋に1等から7等くらいまで書いた紙が入っていて、それぞれの賞品をもらえる、という当りくじ付の商品があった。いちばん立派な賞品の1等は1個だけ、2等は2個、3等は5個、・・・となっていて、…

講演のお知らせ 『モノがたりを装う』〜ファッションとアーキテクチャ〜 

マテリアルスのアーティスト統括を担当されている深町浩祥さんが講演をされます。アーティスト的側面とプロデューサー的側面の両方を併せ持つ、稀有な人物です。ぜひ、お越しください!以下、紹介ページからの抜粋です。・・・・・・・・・・・6/25(金)、Creative Cafe'…

映画 炎のランナー

エリック・リデルの走る姿に興奮を覚える。限界を超えて別の世界に入り込んで原始人のように走る姿と、優しく理性的な宣教師としての姿が、同一人物のものであることに、人間の無限性が感じられる。観ていると力が湧いてくる、素晴らしい映像だ。 エリックは…

辻立ち

今日、ある駅で若い政治家(志望の方?)が辻立ちをしていた。立ち止まって聞いている人は誰もいなかった。拡声器も具合が悪いのか、声がこもって聞き取りづらかった。が、聞こえたとしても、なんでこの人の話を聞かなければならないか、理由が見つからない。…

臨戦態勢(矢沢永吉について)

今までは、思ったことを何でも書いていけばよいと思っていたけれど、書くんだったら、「それなりの覚悟はあるかい?」と自分に問うくらいはやらなきゃ。現実の中では、書かれている内容よりも、誰がそれを書いたか、の方が重要であることがはるかに多い。「…

重力を感じる

ここのところ、腰の調子が思わしくない。ベッドから起き上がったり、イスから立ち上がったりするときに、ずっしりと重力を感じる。自分がニュートンだったら、リンゴが木から落ちるのを見るまでもない、などと威張ってみても虚しい。最近、地球が重力を増し…

言葉について

例えば、生死について人に語るとき、自らが自らの生死に対してどのように向き合っているかを示すことができなければ、人は耳を傾けてはくれないだろう。何を語るにしても、実存について語るならば、一般的に語ることなどできはしない。

キプロス島

1992年12月、イスタンブールから空路でキプロス島へ入った。トルコから入るとなると、北キプロスに入ることになる。キプロス島は、ギリシア系住民とトルコ系住民が混住する複合民族国家だったが、1974年、両民族の間で殺し合った末、現在では、南…

遠くのものを近くに見る

30歳になった頃、スクラップという捨てられたものに「かけがえのなさ」を見い出す視点を感じたときに、その視点とは、親がわが子に、「かけがえのなさ」を見い出す視点と同じではないだろうか、と書いた。だが、私には子供がいなかったため、それは想像上…

アジェのパリ 大島 洋

「だらだらとした文章」と書いては失礼にあたるだろうが、まさにそこにリアリティが感じられて、いつのまにか、著者になり代わって重い写真集を抱えてパリを歩いている自分がいる。20のころから始めた一人旅はこのような旅だった、という懐かしさもあるか…

カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー

この拠り所のない不安な感じは何だろう?キリスト教的世界、と中学生時代にドストエフスキーを読んだ柄谷行人が書いていたが、その世界はこのように不安げな世界なのだろうか。コンテクストが読めない、信じられる登場人物がいない小説は、読み進めるのに苦…

美容室 GEKKO

月光は、太陽の光の反射である。自ら光を発しないが、太陽の光を満面に受けて地球に向けて反射している日には、外で本の文字が読めるくらいに明るくなることもある。夜、月を見上げるとき、私たちは実は太陽の光を見ている。月は、メッセンジャーに徹してい…

お店をつくる仕事をしていると、毎日のようにいろいろなクライアントとお会いする。当然のことながら、いろいろな声を聴くことになる。私は、イメージに関わる仕事をしているにも関わらず、顔を記憶するのが苦手である。その代わり、声は記憶していることが…

本物の時代

今日、あるアパレルメーカーの方とお話をする中で、「やっと本物について語れる時代になってきた」と語られた。「以前は、若い人に本物について語ろうとしても、そんなの知らないよ、っていう感じだったけれど、今は聞こうとする人が増えた」と。ごまかしが効…