gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

怠け者の憂鬱

ほとんど全ての人が「動かねばならないと分かっているのに、動きがとれない」という悩みにさいなまれた経験があるだろう。「努力の天才」と呼ばれるような人は、その悩みを経験したことがないように映るが、そう映るのと本人の思いは別だろう。

なぜ動けないのか、どうすれば動けるのか、がわからない。極端だが、誰かにピストルを突きつけられれば動くだろう。そのような他人からの強制をひそかに待ち望んだことがないだろうか。

動けない自己嫌悪におちいったときに、誰もがそういう経験をしたことがある、と考えることは、気持ちを楽にさせてくれる。

柄谷行人が「反文学論」の中で、「どの世代も感じているはずだ」と書いていたことを発見して、妙に解放された気分である。