今朝のテレビで、お台場にできたアウトレットモールの企画者がインタビューに答えていた。
「なぜ、都心に程近い場所にアウトレットモールをつくったのか？正規店にダメージはないのか？」という質問に対して、彼はこういう内容を答えた。
「物欲の継続時間は２０分そこそこくらいなんです。だから、アウトレットモールで見たものの他のバリエーションが欲しくなったら、すぐに銀座などの正規店へ行ける立地が有効なんです。」
私はそれを聞いて、急に胸が悪くなった。下品な空気を感じたからである。
ヒトラーは「わが闘争」の中で、「アジテーションは夕暮れ時がいい。大衆はこの時間帯に最も扇動されやすいから。」という内容のことを書いているらしい。人々はこの本を読みつつも、書いてある通りに扇動されていたのである。
おそらく、この企画者の言う通り、たくさんの人がアウトレットで買い物をした直後に正規店へ足を運ぶのだろう。
人々は操られていることを知っていて操られる。広告とはそういうものだ、と柄谷行人が書いていた。
今更、それを不思議には思わない。しかし、テレビでネタバレをすること自体、下品であることには変わりはない。
