gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

既得権益を崩すこと

地元の酒屋がコンビニに変わっていく姿を見ながら、これが既得権益を崩した結果なのだろうか、と首を傾げている人は多いと思う。

酒を扱えるのは酒屋だけだった時代の方が個性ある酒屋がたくさんあったではないか、と。

酒を売る権利を「いい酒を売る責任」と捉えていた酒屋さんを私は知っている。

だが、「いい酒=売れる」とは限らない。実際の暮らしは、みんなが気軽に買っていくビールなどで成り立っていたのだ。そうして家計を成り立たせることによって、本当においしい酒を心を込めてつくるためのプロデュース活動を一生懸命にやってこられた。

しかし、どの店も酒を扱えるようになって、生活を支えるビールが近くのコンビニなどで買われるようになる。酒を売る責任として、まじめに取り組んできた活動の継続ができなくなっていく。

平等とはどういうことだろう。考えさせられる一例である。

既得権益を持たない人間が、既得権益なんてなくなってしまえばいい、と考えるのはたやすい。

しかし、全国どこへ行ってもコンビニだらけ、という社会こそが豊かだと思う人間はいないだろう。

そのうえで、競争社会へ向かうのであれば、覚悟がいる。

それは、先の例で言えば、「いい酒=売れる」という社会をつくる以外にはない、ということだ。

「いいもの=売れる」社会をつくっていく、という覚悟を持って、明日の投票に行く。