gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

高杉晋作

司馬遼太郎が「世に棲む日々」の中で高杉晋作のことを戦時に生まれなければ、ただの飲んだくれになっていただろう、みたいなことを書いていたと思う。

時代が人をつくる部分というのは確かにあるだろう。しかし、彼の辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく」というのは、むしろ、平和なときに生まれた人間が積極的に世に何かを問う、ような人生を想起させる。

「おもしろきこともなき世」と大勢の人々が思っているのは、幕末のころではなく、現在なのではないか。この世をおもしろく生きようという意志を持った人間に大切なものはなんだろう。

この時代に、ただの飲んだくれになれる人間もなかなかいないのかもしれないが、今の時代に生まれてきて、おもしろい人生を生きる高杉晋作を想像するのは楽しい。