gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

本当の芸術

 

一月万冊のyoutubeで、ロシアのショスタコーヴィッチのことを安富歩が話していた。

 

彼は、スターリンの圧政下にあって、音楽に規制を加えられながら、一見従ったように見せかけて、支配側に分からないようにつくりたいものを散りばめた。そのために、生前弾圧を受けることがなく、優遇された人生を送った。

 

スターリンの死後、彼の音楽は世界的に再評価され、彼の能力を最大限に発揮した音楽を残すことができたそうだ。少なくとも、彼の血肉が音楽として結実している、と言う。

 

安冨氏の主張は、共産主義の下では彼のような本当の芸術をつくりつつ、豊かな生活を送れた人間がいるが、資本主義の下ではそういう人がほとんど見当たらない、ということだ。

 

例として、スターウォーズなどの音楽で大きな成功を収めたジョン・ウィリアムズの音楽は、後世には残らないだろう、と言う。彼の血肉と彼の音楽との関係を見出せない、と。

 

だが、少数ではあっても資本主義の下でも、本当の音楽に達することができた人もいる。安富氏が挙げたのは、ジョン・ケイジだ。彼は、幼稚園の送迎バスの運転手を続けながら生活をし、音楽ではお金を稼げなかっただろう、と。

 

今後、資本主義がコロナによって変質していくならば、どのように本質的な仕事をするのかをイメージすることが大事で、上記の3人を比較してみることは自分の道を描くのに有益だ。

 

以前に、本当の文化、とは、文化を忍び込ませることにより、感受される、と書いたことがある。

 

https://gridframe.co.jp/information/concept/misunderstanding-about-store/

 

これは、上記の問題について、ぼくが考えているひとつの答えだ。