陽向はよく笑う子供だったが、だんだんと笑いを失って、機能性低血糖症の症状が顕著になってからはほとんど笑わなくなった。
社会と彼の接点は常に緊張状態にあって、顔が硬直していることが多かった。
今、少しずつ、陽向に笑顔が戻っている。今日も、彼にギターを教えているときに、ぼくの即興の曲を聴きながら笑った。
まだ、ゲラゲラとは笑わない。けれど、顔が緩んで、いい笑顔が広がった。
きっと笑うたびに、君はよくなっていく。笑いながら、君のペースで頑張れば、結果はついてくる。
ゆっくり行こう。