gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

藤原道長

この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることもなしと思えば

 

子供の頃、この和歌を教えられたとき、権力を独り占めにした男の尊大な歌と教えられた印象があった。

 

しかし、本来の解釈はどうあれ、ぼくは勝手に、「欠けたることもなしと思えば・・・実はそうじゃなかった」とか、「欠けたることもなしと思えば・・・すぐにボロボロ欠けてきた」とか、「と思えば」で終わるこの歌を、その逆の事実があるかのように受け止めていた。

 

チューリップの古い歌に「なにもかもうまくいくなんてそんな恋は信じたくない」というのがあった。

 

まあ、この方がリアルだ。実際に、道長の世も、その後長くは続かない。

 

もし、この歌が教えられた通りの尊大な歌だったとしたら、この歌を歌った時点で、繁栄の終わりが始まっている、ということかもしれない。