陽向は今もサンタクロースを信じているらしい。
だから僕には欲しいモノを頼まないし、彼によれば、サンタにも頼んでいるわけではない、ただ、心で思うだけだ、と。
それじゃあ、分らんじゃないか!
・・・ということになるが、そこは子供だ。誰かには、心の中を悟られてしまう。
母親が彼が念じているのを偶然聞いた、ということだ。
今の彼の記憶は断片的なので、言った言わないは曖昧で、どうやら憶えていない。
というわけで、目が覚める前に、それをそっと枕元に置くことができた。
小学生最後のクリスマスプレゼント。来年はもうサンタクロースからではないかもしれない。