伴野一六邸は、海辺に漂着したモノを材料だけでつくった家だという。
その家を見ずとも、想像しただけで素敵だ。これを聞いた誰もがうっとりとする。
そのようなものづくりの方法はブリコラージュと呼ばれる。
ブリコラージュは、理論や設計図に基づいて物を作る「設計」とは対照的なもので、その場で手に入るものを寄せ集め、それらを部品として何が作れるか試行錯誤しながら、最終的に新しい物を作ることである。(wikipedia)
そうそう、これがぼくが30年間やりたかったことで、SOTOCHIKUも海辺に漂着するように、遠いところから予測できないものがぼくらのもとへやってくる仕組みづくりから始めようとしている。
が、伴野邸の外観写真を見たスタッフたちは、「うーん、思っていたのと違いました・・・」とがっかりした表情を見せた。
できあがったものは、バラックだ。言ってみれば、スラム街の建物そのものだ。
ぼくは好きだが、同時にほぼすべての人が、このような家には住みたくない、と思うことも知っている。
その場で手に入るモノに徹底するとこうなる。
だが、新しく一からつくる部分と組み合わせれば、ほぼすべての人が求めるような空間になることも知っている。