gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

波動

父親が亡くなったとき、陽向は0歳だった。

 

急遽、熊本へ帰ったときの陽向は、空気を察したのか、驚くほど静かだった。

 

ほとんど泣くこともなく、いつも静かに微笑んでいた。

 

忘れられないのは、肩を落としたぼくの方をゆっくりと叩いたことだ。

 

周りの波動から、人の心を察知する想像力を彼が持っていることを感じた。

 

現在11歳の彼に足りないのは、このときの「心を察知する想像力」であるように思われる。

 

だが、焦ることはない。ぼくはあのとき以来、絶大な信頼を彼に寄せているのだ。