1986年。アメリカ。
この映画は、タイ行の飛行機の中で観た。もう36年も前のことになる。
リバー・フェニックスは確かに存在感で他を圧倒していたが、他のすべてのキャストを明確に思い出せる、ぼくにとっては印象深い映画だ。
設定は、主役の4人が小学校6年生で、陽向と同じ年だ。陽向はだれに似てると思うか、と訊いたら、ゴーディ(スポーツはしないが優等生で文章を書く能力が高い)とバーン(素直で気がいいが、のろまで肥満児)を足して2で割ったのに似ている、とのこと。
だれもが、この4人の中に自分を投影できる者がいるのかもしれない。
アメリカの小さな田舎町も、日本の小さな田舎町も似ている。そこで自由に愉しく暮らすことは、そう簡単ではない。
特に、自分らしくいようとする者にとっては。
では、都会へ出れば自分らしくいられるか、といえば、そんなこともないけれど。
スティーブン・キングの少年時代がゴーディだが、少年時代の苦しみが彼の作家としての才能に重なって、数々の作品に昇華したのだろう。
では、その夢でうなされるほどの苦しみは、あってよかったのか?決してそうではないが、そんな暗い過去があってもあきらめなかった、ということが全てをポジティブに裏返す唯一の方法だろう。
実際に、それを克服した人は少ない。そして、それでも悪夢に悩まされているかもしれない。だが、闘い続けることができている。
それを誇っていいんだと思う。