gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

未来の生活 5

にしのあきひろの「えんとつ町のプペル」を読み返した。

 

陽向はこの絵本をあまり好きではないのか、進んで読もうとしないが、ぼくは好きだ。

 

高い崖に囲まれた煙がもくもく出る工場町に住む人々は、空や星を知らない。

 

つまり、空間の開いている方向を知らない。

 

ゴミ人間プペルと少年ルビッチは、大量の風船をつけた船で煙の上の空へ出て、初めて星空を見る。

 

そこでは、閉塞した世界とは、別の世界が開かれる。

 

詩の世界へ出る。

 

苦しみや悲しみが消えるわけではない。

 

けれど、その苦しみや悲しみは引き受けるに値する。

 

そこに、希望がある。