今年の陽向へのプレゼントは、ウルトラマンZに出てくる武器ベリアロクのおもちゃ。箱には「3歳以上」と書いてある。
これまでは本を贈ることが多かったのに、小5にして勉強っぽさから離れたのは、彼が勉強疲れしているのを察知したからだ。
案の定、夜のうちにサンタが枕の上に置いていった箱を開けて、彼は歓喜の声を上げた。クリスマスプレゼントにここまで興奮した彼を見たことがない。
早速、一人闘いごっこを始めて、学校へ一緒に通う小4のルイくんに見せたいと張りきって持って行くが、ルイくんは「ぼくはもうあんまりウルトラマンは見ないんだ」と。信号待ちで会った女の子のグループも、もちろん反応しない。結局一人闘いごっこを続ける陽向だった。
学校へは持っていけないから、途中でぼくが受け取り、家へ戻った。こんな光景はごく普通のことで、陽向は他のみんなとは好きなものが一致しない。だが、好きなものは好きなものだ。それを変えようとしない。
親としては、多少複雑な気持ちもあるが、最近はよいことだと思い始めた。自分の視点を大事にしているからに違いない。
そう考えると、ぼくの理想そのものだ。一抹の淋しさがそのような生き方には付きまとうけれど、どうやら彼にはその覚悟ができてきているようだ。
がんばれ、陽向!