「意味の変容」が100回読んでも新しいのは、それが常に新しい問いを呼び起こすからだ。
自分の現実を問う心に必ず寄り添ってくれる。森敦は、なぜそんな本が書けたのだろう。
「意味の変容」は構造であり、空間である。
ぼくは、その空間の中を歩くが、以前歩いたところのはずが、どこかが以前とは違うのだ。
それは明らかに、ぼくが変化しているからだが、その瞬間、森敦の放浪する姿に、今の自分を重ね合わせるのだ。
「意味の変容」とは、100ページに凝縮された彼の人生だ。
空間にもそんな力を持たせることができないだろうか?
意味は変容して、どんなものにもカタチを変えて、意味を宿すことができるのだから。