路地の生活を、暮らしの原風景として思い浮かべる人は、世界中にたくさんいるだろう。
おばさんが家の前の花をいじっていたり、縁台でおじさんたちが将棋をしていたり、路地の生活には人々の素顔がある。
強い者は弱い者を守る。そんな当たり前の原理がそこには機能していたような気がする。
ぼくにできることを、もっと生かしたいと自然に思えるのは、そんな生活を思い浮かべるときだ。
「ものづくりの連鎖」と名付けたのは、妻だった。
こうすれば、もっとうまくいくよ、と感じる小さなお店のポストに、アドバイスを書いて投函して回ろう、と。
もう15年も前の話だ。
ちゃんとやってこなかったけれど、もう一度始めよう、という話をした。