gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2016.4

現実

日曜日には、子供を預かってくれるところが少ない。あっても、結構なお金がかかる。だから、ぼくらは原則として日曜日は陽向と一緒に過ごした。もし、気軽に預かってくれる環境があったら、もっと仕事をすることを選択していたに違いない。陽向のこれまでの…

単焦点レンズ

16mmの明るい単焦点レンズを購入したひとつの目的は、至近距離にあるピントの合った対象とその周囲のボケをつくることだった。しかし、ニコン純正ではないためオートフォーカスが利用できない。なんとかなるだろうと考えていたが、ファインダーを覗いた限…

優先順位

大事なものは後の楽しみにとっておく。そんな空間のつくり方がある。優先順位の低いものから手をつける。例えば、オフィスを計画するときに、①会議室、②応接室、③役員室が必要ならば、それをつなぐ④廊下も必要だ。優先順位は番号順だとする。ならば、優先順…

巻き込まれる

自分が巻き込まれることによって、初めて内からの視点を持つことができる。外からの視点のみでは語るに足りない。巻き込まれることは、感謝すべきことだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素…

動いて見る

動きながら見るのと、止まって見るのとでは、対象から受け取る情報の質が違う。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マテリアルス実験工場← 未来の町並みをつくるファサ…

閉じない空間をつくるために、室内に外を持ってくる、ということをよく考える。プロジェクトごとに、その方法を探す。共感覚synesthesiaは、ひとつの手がかりとなるかもしれない。例えば、外の匂い、として具体的に追い求めるものがあるとすれば、その匂いを…

知識欲

知識欲は、先天的に与えられるところが大きいのかもしれないと思う。勉強せざるを得ないから知ることになったことがぼくらの知識の多くを占めている部分があるだろう。自由を与えられたときに、勉強することを選択する人間は、どのくらいいるのだろうか。 人…

映画 トランシルバニア

2006年。トニー・ガトリフ監督。ルーマニアのトランシルバニア地方へ、失踪した恋人を探しにやってきたフランス人女性を描く。全編が土地の音楽に溢れている。「音楽は生きる力のためにある。苦しみのためではない」ロマの音楽隊の男が語る言葉が胸に残…

left over space〜取り残された場所

空き地、取り残された場所、・・・。どのように呼んでも、そこに叙情を免れない。多くの場合、新しい建物はそのような場所に建てられるが、その叙情は忘れられたかのように蓋をされる。土地を吹く風に耳を傾け、多層に織り重なるものがたりを聴け。風の吹く先に…

クリニックの待合室

病いの方が訪れて、治療を受けて、元気になってお帰りになる待合室にいる患者さんは、治療を受ける前後で、心持ちが少なからず違うはずだそこには 治療前は、やすらぎの空間が求められ、 治療後は、元気な空間が求められるのではないだろうかだから、 外から…

隙間

例えば、フォンタナが青いキャンバスにナイフで切りつけた跡のように、隙間は突如として現れた獣の息遣いを感じさせる。どのような隙間でも、その攻撃性を鎮めてやろうとするのは簡単な作業ではない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム…

地下鉄の音

いつも聴こえているのかもしれないが、めったに意識することはない。地下鉄の通る音の話だ。ぼくが住んでいるマンションの下には、さほど深くないところに千代田線が通っている。4階の部屋から、その音を感じることが、年に数回ある。きっと地下鉄の音なん…

木立ち

木立ちという言葉を聞いて、ぼくが思い浮かべるのはアラスカのスティーブンス・ビレッジで撮ったこの写真だ。雪景色でモノが少ない中にいると、言葉の対応物がまるで抽出されたかのように現前する。だから、言葉を聞いて思い浮かべるものが、このときに出会…

江ノ島

江ノ島へ渡った。時間がなかったので、すぐに引き返した。けれど、渡るだけで十分楽しめた。海の上を沖へと歩くのは、それだけで楽しい。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザ…

熊本の地震

故郷の熊本とその周辺で、大きな地震が続いている。みなさんは無事だろうか。ただ祈るしかない。母は無事だが、家は損壊して、姉の住む福岡にしばらく移り住むことになった。ほんの2日の間に、たくさんのものが壊れてしまった。母が日頃大事にしていたもの…

ぼくの居場所

クライアントと出会った瞬間に、ぼくたちの居場所を感じるときは、とんとん拍子にコトが進んでいく。お話をしているうちにそれを感じるときもあるし、お話が終わってもそれを感じられないときもある。自分の居場所をつくる、という感覚も必要だが、一方通行…

桜の木

乃木神社の前には、大きくて美しい、しだれ桜がある。ぼくと陽向は、神社の前を通るときには必ずお辞儀をするのだが、その桜がまだ満開の頃、陽向がお辞儀をしながらこう言った。「葉っぱになりますように・・・」ぼくはちょっと驚いたけれど、確かに桜の木は、…

地球環境

もうたぶん多くの人が気づいているけれど、システム化する方向のみでは、広い意味での地球環境全体はよくならない。あらゆる事物が無限に複雑な相関関係を持って成立しているのが地球環境であり、それをピックアップされた有限数の事象をもとに改良・改善し…

つながり

グリッドフレームの「汚しうる美」というコンセプトが、「創造性の連鎖」の実践へとつながってきたのをさらりと説明することはスタッフでも難しい。でも、それを根本で支えている考えはとてもシンプルだ。「汚れに象徴されるような、ぼくたちの外側にあるも…

店舗という歴史をつくる

いつも人は、一緒にいる人の鏡だ。だから、ある人に会うとその周囲にいる人たちのことも分かる。ぼくがごく親しい人と一緒にいるとする。二人の意見が分かれて、お互いに自分の意見を主張した後、表面上、もの別れに終わったにもかかわらず、二人の意見がそ…

切実

なんとかしなければならない、という切実な思いと、なんとかなるさ、という気楽な思いと、その両者が共存していなければ、一貫して何かを続けることはできないのかもしれない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しなが…

広角レンズ

8ミリの超広角レンズを手に、近所を歩く。白い花に手招きをされて、接写。周囲の緑が、飛んでいく。みぃ〜つけた!という気持ちが表現される。野イチゴの花。昨年、この近くで、陽向と野イチゴを摘んで食べたことを思い出す。一眼レフの広角は、顔を至近距…

反復

森敦『意味の変容』の最終章に出てくる黒人サキソフォニスト、サミューエル・ジョンスンは、なぜサキソフォンの時代を築き上げたミュージシャンとして熱狂されながらも、スラム街の酒場に入りびたる浮浪者になってしまったのか?「いかに精妙な音色をもって…

強制

グリッドフレームを創めてから、アルバイトを含めてたくさんのスタッフと出会った。スタッフの幸福について考えるときに、最近ひっかかることがある。ぼくは基本的には放任してやってきたという自覚がある。それは、それぞれのスタッフが自分で考えたことを…

入学式

陽向は、今日から1年生。ちょっと緊張していたらしい。家へ帰る途中「ホッとした」とつぶやいたそうだ。いや、もうしばらく緊張していなさい。もうちょっと、成長するまで。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながら…

3等分

小学3年生の頃、算数の授業の中で「折り紙を長さを測らないで正確に3等分に折れますか?」という問題があった。それぞれが折り紙を持って、しばらく試行錯誤をしたが、だれの手も上がらなかった。ぼくは、「正確に」という言葉が気になっていた。見た感じ…

負けず嫌い

負けず嫌いじゃなくとも、人は一流になれるんだろうか?ライバルを追い抜け追い越せでがんばるのは、ある意味でたやすい。がんばることだけが重要ならば、ライバルをつくるのが最も効果的だろう。でも、ライバルのいない世界で、一人でがんばる人もたぶん存…

そっと手放す

何かを掴みかけていることを直感したとき、焦らず一呼吸おく。触れようとしているものを壊さないように、そっと手放す。その包み込んだ感覚を忘れないように、心に刻む。ぼくは、そんな瞬間がいちばん好きだ。「積極的な休み」という言葉があるとすれば、こ…

山へ登る

山を登ると眺望が開けて、自分達の住む平地を俯瞰することができる。俯瞰することによって全体を大まかに知ることができるが、それで隅々まで理解することにはならない。俯瞰しても陰になる部分は見ることができない。地を這うように生きよう。その方が、確…

直感

たぶん、直感に間違いはない。それは全て何か意味のあることなのだ。間違いがあるとすれば、それに対しての解釈の方にある。だから、直感を得たら、それを見過さないようにする。そして、それを言葉やイメージへ変換することに全エネルギーをかける。どれだ…