居抜き物件のおもしろさは、その空間に歴史がある、ということだ。
だから、今どうして居抜き物件として存在しているのか、その理由を過去に遡って想像することが重要だ、と思う。
想像は、創造であってもかまわない。というより、創造であるしかない。
ここで新店舗をつくろう、と思われるなら、自分なりにその空間の過去から未来への物語をつくることが大事だ、と思う。
そして、自分であればこの空間の歴史をよい方向に引き継いでいける、という「確信」を持つこと。
それが物件を決める一番の理由であるべきだろう。
コストを抑えたい、という理由は、その次に来るべきことで、上記に少しでも曇りがあるなら、手を出すべきではない。
町を歩くと居抜き物件のオーナーが次々と変わり続けるのを見ることが多い。
空間の歴史を創造する、という意識を持っている人であれば、そのような連鎖に陥るリスクは大幅に減少するだろう。
逆に、居抜き物件のおもしろさが未来への力に変わるに違いない。