最近、陽向はyoutubeでライオンなどの野生動物を好んで見るようになった。
動物たちのかわいいしぐさなどを見て楽しむこともあるが、捕食しているさまをまじまじと見ていることもある。
特に、強い者同士で食べあうさまを見るのが好きなようで、昨日はライオンがチーターを捕らえて食べる様子を見ていた。
ぼくはそのような様子にはできれば目を背けていたいので、陽向にも見せないようにしたいという気持ちが働くが、動物たちの悪意のない世界の現実を見ることを禁止する理由も見つからない。
かくいうぼくは、小学生の頃には、学校帰りに友達と一緒にヘビやカエルたちに残酷なことをした記憶が残っている。どのような気持ちでそんなことをしたのか、今ははっきりと思い出せない。
子供であることは、死に蓋をしないことだ、と高瀬泰司さんは書いている。
ぼくらは、子供のままでいようとし、一方で、大人になれ、と言い聞かせる。
その境は、いつも危ういが、人間の魅力はそのような危うい部分から発せられることが多い。