gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 縞模様のパジャマの少年

2008年。イギリス・アメリカ。

収容所のユダヤ人を大量殺戮することが仕事のナチス軍人がいた。その息子ブルーノ(8歳)が、収容所の柵越しにユダヤ人の子供シュムール(8歳)と仲良しになる。

シュムールのいなくなった父を一緒に探すため、縞模様のパジャマを着て収容所に侵入するが、大人のユダヤ人たちに紛れて「シャワー室」へ連行され、シュムールとともに殺害されてしまう。

まるでグリム童話を読んでいるかのような、突然の惨事に一瞬ポカンとしてしまった。だが、現実の惨事はいつもこのようにして起こるだろう。

あちら側にいる人と、こちら側にいる人が、実は大きなつながりを持っている、という認識の欠如は、実はこの映画の登場人物にはほとんど見られない。国家権力がそのような認識を消してしまおうとしているだけだ。

国家権力の強いる分別をまだ理解できない子供だけが、自分の見るもの、聞くもの、匂うものをたよりに、その世界を構成することができる。その結果として、尊い生命が絶たれようと、大人はそれを止めることはできない。