gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2013.12

2013年

アメ横でタラバ蟹を買って、家へ帰る。今日は、久しぶりに紅白歌合戦を観よう。どういうわけか、そんな年末を過ごしたくなった2013年。子供の頃に過ごした年末年始が懐かしくなったのかもしれない。 ぼくにとって、新しい挑戦が始まっている。この休みの…

鴨鍋

期せずして、鴨鍋をごちそうしていただく。小さな3人家族で鍋を囲んで、にわかに年末気分が盛り上がってきた。テレビではレコード大賞が映っている。湯気の向こうで、なぜか大竹しのぶが歌っている。陽向が隣の団体さんに頭を撫でられている。まんざらでも…

年の瀬

もういくつ寝るとお正月〜♪という気持ちでこの時季を過ごしたのは、いつだったろう?気がつけば、年の瀬。今年もそんな感じだ。けれど、日本の正月はやはり素敵だ。せっかく東京にいるのだから、大晦日はアメ横に初挑戦しよう。押し合いへし合いしながら、安…

自明の論理

長い時間をかけて考えたわりには、たどりつく答えは至ってシンプルで、まるであたりまえのようにぼくの前に横たわる。いくつかの答えが、このようにして得られた2013年だった。自分の中でゆるがないものが増えた、と言えるかどうかはわからない。いや、…

映画 パーフェクト・ワールド

1993年。クリント・イーストウッド監督。脱獄囚ブッチと彼に誘拐された内気な少年フィリップの逃亡劇。青空の下、草原に横たわるブッチ。太陽がまぶしい。風が吹いて、お金が舞ってくる。パーフェクト・ワールドが示される映画冒頭のカットは、実はラス…

悲哀

夜中、一人パソコンに向き合う。周囲は静寂の闇に包まれている。 私たちが生まれてくる前は、私たちは死んでいたのか、それとも生きていたのか。もしかしたら、こういうことがいえるかもしれない。私たちは、生まれてきたときには、もう既に先祖の生命の一部…

像を結ぶ

懐かしい顔に出会うことの多い年末年始。目の前の人の顔が誰なのかわからず、ぼんやりとした記憶の中で焦点を合わせようとする。像を結んだ瞬間の幸福感というものがあるかもしれない。急に懐かしさがこみ上げてきて、そんな瞬間は誰もが笑っている。そんな…

マント

陽向がバスタオルをマントにして家の中で過ごすようになった。アンパンマンになったつもりらしい。いつもは背中を丸めて坐る癖があるが、マントをしている間は背筋がシャキンと伸びている。「つもり」とはバカにできない。そういえば、ぼくの頃はタイガーマ…

言葉の力

未来は必ず今よりもよくなる、と無条件に信じている人は今どれくらいいるのだろう?生まれてからそろそろ半世紀を迎えようとしているぼくらの世代は、概して言えば右肩上がりを自明のことのように感じられる時代背景の中に生まれてきたのだと思う。ぼくらは…

マニュアル車

久しぶりにマニュアル車に乗っている。オートマ車が席巻する時代になって、車に乗る、ということに対する感覚はずいぶん変わったことを思い知る。エンジンがかかりづらくて、寒い日は10分くらい前にエンジンをかけて温めなければならなかったこと。クラッ…

映画 縞模様のパジャマの少年

2008年。イギリス・アメリカ。収容所のユダヤ人を大量殺戮することが仕事のナチス軍人がいた。その息子ブルーノ(8歳)が、収容所の柵越しにユダヤ人の子供シュムール(8歳)と仲良しになる。シュムールのいなくなった父を一緒に探すため、縞模様のパジャマ…

グリッドフレームの背後にあるもの

まず、「美しいものをつくりたい」という思いがありました。ぼくの考えでは、美しいものには二つあります。それは、指一本触れてはならない美しさと、触れても価値を損なうことのない美しさ。つまり、「汚せない美」と「汚しうる美」。ぼくは、「汚しうる美」に…

12月の雨

雨になると、かえるの傘をさせるから、陽向は喜ぶ。それは、冷たい12月の雨でもかまわないらしく、「冷たいね〜」などと言いながら、水たまりをぴちゃぴちゃ跳ねながら歩く。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店…

よりどころ

創業49年の居酒屋の移転をやらせていただいている。毎年、この時季になると、昔のお客さんが遠くから集まってきてくださるそうだ。おいしい鍋料理もさることながら、開店当初から切り盛りしているおかみさんに会うことが大きな目的だろう。「よくきたね」…

向き合うこと

ぼくは目の前にいる人と、同じ方向を向きたい、という気持ちが強い。互いに向き合う、ということは苦手だ。何を話したらよいか、わからなくなる。人に興味がない、ということではない。人自身というより、人が向いている方向に興味があるのだ。結局のところ…

プレゼン

フォーラムで話をさせていただくタイミングで風邪をひいてしまった。咳が出始めたら、長い時間止まらない。皆さんの前で話をしているときに咳が出始めたらどうしよう?こんなことにドキドキしながらプレゼンしたのは初めてだ。そのためか、逆に緊張しなかっ…

サスティナビリティ

「持続可能な社会のために何が必要か」を人間の内面について考えるとき、それは「未来が人間にとって生きるに値する」という見通しだろう。ぼくにとって、それは創造的でいられるかどうかにかかっている。だから、創造的でいられるための条件を突き詰めて、…

映画 扉をたたく人

2008年。アメリカ。妻を失って20年間も自分の人生を取り戻せないでいる大学教授が、ジャンベを敲く若者に出会い、敲き方を習いながら再生していく・・・。若者はいきなり警察に拘束され、結局、周囲の人々に知らされることもなく母国シリアへ強制送還…

陽向の闘い

保育園の年少組の陽向を、年中組・年長組の子供たちがとてもかわいがってくれる。陽向とすれ違うたびに、陽向のほっぺたを「ぷにぷに」といいながら触ってくれる。彼らに悪意はないのだが、陽向はだんだんそれが嫌になってきたようで、少し前はニコニコしな…

ディズニーランド

『ディズニーランド的建築』という言葉は、20年前にアメリカの大学で建築を学んでいた頃、明らかに侮蔑的に用いられていた。それは、ハリボテ造作物に向けて用いられていると同時に、閉じられたユートピア世界をつくりあげる思想にも向けられていて、もち…

ウルトラQ

ウルトラQは、ぼくが幼稚園に入る前に放送していたウルトラシリーズの第1弾だ。もちろん、おぼろげな記憶しかないけれど、その不気味な印象は今も思い出せるくらいに強烈だった。モノクロの怪獣番組だからだろうか。幼児期に接したものには、なにか特別な…

designing the future

ランニングの途中に「designing the future ○○○○」という看板がある。(○○○○は社名)未来をデザインしよう、という意志を持つこと。GFのスタッフ全員で共有したいことだ。いつもこの看板の前を通り過ぎるとき、心の中で○○○○をグリッドフレームに置き換える…

アラン・ウエスト

谷中の町を歩いているときに通りがかったアトリエは、大きなガラス面を通して中の日本画作品群が見えた。その建物を含めた雰囲気がとても美しく空間的で、なにか新しいものをそこに見出した感じがした。アラン・ウエストというアトリエの主の名前を知ったの…

心配事

例えば、家族の健康について心配事が起こったりすると、なかなか仕事に集中できなかったりする。ぼくは今までそのような心配事がとても少ない、よい人生を送ってくることができた。その幸運にとても感謝している。同時に、そのような心配事を抱えつつも、何…

専業

ひとつの会社を成立させるには、時代が変わっても揺らぐことのない価値を提供できなければならない。そのためには提供できる価値の種類を増やす、というのがひとつの選択肢だろうが、グリッドフレームは専業でいく。「つくる」という好きなことを仕事にする…

ネルソン・マンデラ

マンデラ氏については、過去2回書いた。http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20090502http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20111001ステージに立った彼に、なんらオーラを感じなかったことが、逆にぼくにとって彼の存在を特別なものに育てたのではないか、と…

草花

先月、熊本の祖父母の墓で見つけた草花。まだ、名前が分からないけれど、ぼくは生まれて初めてこの植物に出会ったのだと思う。オレンジとグリーンの補色同志が隣り合う、すっきりとした配色。今後、祖父母の思い出は、この草花のイメージと重なり合って浮か…

同じものを見ること

陽向が一番早く覚えた言葉のひとつに、「見て〜」がある。人間には、自分の興味を持ったものを一緒にいる人と共有したいという根源的な願望があるのだろう。でも、興味を持ったものが目の前に見えているのは一瞬で、その人が顔を上げたときにはもう見えなくな…

俯瞰

ときには高い場所から町を俯瞰することが、ぼくには必要なのかもしれない。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス

函館山の展望台に立ち、どんよりと曇ったモノクロムの風景を俯瞰していると、遠い西側の海の一部分にだけ黄金色が輝いている。思わずぼくはその方向へ走りだしていた。ほんの一瞬の光。いつ消えてしまうかも分からない光に向かって、ぼくは強く引きよせられ…