Amanda PalmerというパンクミュージシャンのTEDでのプレゼンテーションを観た。
ぼくは全くそういうことに疎いが、クラウドファンディングで25000人のファンから1億円以上を集めて、音楽をつくり、ネットで無料配信しているそうだ。レコード会社に属して、CDやDVDを出さなくても、大々的に音楽活動を続けることができる方法を、「お願いする」ということに見出した、という。
革新的だが、誰もができることではない。
彼女と他のミュージシャンとの違いは、ファンとの距離感だ。他のミュージシャンが遠くの見知らぬファンが購入するCDやチケットによって生活を支えられているのに比べて、彼女はすべてのファンに対して、家族以上の信頼感を持って親密に接する。
あるライブでは、裸をさらして、そこに来たファンにペイントしてもらったりする。信じがたいほどの、「信頼」である。
それほどまでに自分をさらけ出すことは、ふつうの人間にできることではないが、彼女を支えようとする25000人は、彼女を家族以上の存在に感じているのかもしれない。
ソーシャルネットワークが、そのイメージとは逆に、そのような関係づくりを推し進めるとすれば、既存の構造など簡単に破壊していけるのかもしれない。
そんな希望を感じさせるプレゼンテーションだった。