gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

ケーキ

ケーキにまだバタークリームがのっかっていた頃、生クリームがのっかっているケーキを食べて、感動した。ぼくが小学生の頃だ。

ケーキとはやわらかいものだ、と思った。小さい頃から、ケーキはずっと好きだ。けれど、ケーキで感動したのは、たぶんそのとき1回きりだ。

私が子供の頃とくらべて、ケーキはずいぶんおいしくなった。それは分かる。最近、ケーキ屋さんにお話を伺う機会があったが、砂糖の量は、1970年代と比較して、10分の1になったそうだ。つまり、その分、日本人の舌がデリケートになったのだ。

去年食べたクリスマスケーキと、今年のクリスマスケーキは、別の場所で買った。去年の方が、雑味がなくやわらかいケーキだった。味を覚えている。しかし、今年のケーキよりもおいしかったとは思わない。どちらも文句なくおいしいのだ。

もう「まずい」といえるものを探すほうが難しいくらいの時代になった。

きっとぼくらは、よい時代を生きているのだろう。

しかし、あの頃の感動は、色褪せることがない。その感動を、取り戻すことができるか?それが現在のつくることすべてに当てはまる課題だと思う。

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