gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

空蝉

空蝉(うつせみ)とは、文字通り「セミの抜け殻」を表すと同時に、「現世」という意味でも使われる。

もう命はここから去ってしまったにもかかわらず、さまよい歩く世界がイメージされて、かなしい。

アブラゼミの羽化の様子を偶然見かけたことがある。幼虫の体から、ゆっくりとゆっくりと白く透明な体が出てきた。

成虫になると1カ月ほどで死ぬという。それまでの地中の生活は6年。成虫として生きるときが現世とすると、現世のいかに短いことか。

その1カ月のために、ゆっくりと時間をかけて羽化が進行する。

セミの抜け殻を見て、生きるということについて考える。空蝉という言葉から、祖先たちのそのような視線を感じとれる。

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