我が家のベランダは北向きで、目の前が小高い丘の斜面になっている。だから、その斜面に生きる植物たちは、南を向いて太陽を燦々と浴びている。
ベランダの植物たちは、一斉に斜面の植物たちの方に首を向けて、うらやましそうに見つめているようにも見える。「もっと光を!」
この小さなベランダを見ても、太陽を中心として自然は動いていることが分かる。
だが、太陽は眩しすぎて、日の高い時間は直接見ることができない。
「なんぴとにも眼をそむけることを許さず、しかもなんぴとにも眼をそむけさせずにおかない」(『意味の変容』)