表参道のレストランBAMBOOの一角に、Rose Roomが完成した。エチオピアのバラをいろいろな見せ方で紹介するための部屋である。
今回は、空間のみならず、新しい植物との付き合い方を提案している。
********************************
私たち人間は古くから、日常(ケ)を継続する中で徐々に失っていく活力を、ときおり非日常(ハレ)を取り入れることによって回復するという繰り返し(バイオリズム)によって生きてきた。
草花は、人がそれに寄り添って生きることにより、バイオリズムを整える重要な役割を担ってきたのではないか。
鉢植えは日常(ケ)を支え、切り花は非日常(ハレ)を演出してきただろう。
かつてはハレの日は、祭りや祝い事など、年に数回程度であった。だが、現代の生活は、ハレの頻度が高まり、かつてほど日常と非日常の時間的境界が明確ではなくなった。人々はそのゆらぎの中で、ときには両方をまたぐような時間を生きている。
それは私たちの心のバイオリズムを不安定にしているだろう。ハレとケのメカニズムが無効化し、失いかけた活力を回復することが難しくなっている。
このような時代だからこそ、身のまわりの植物が人のバイオリズムを整える役割の重要性が増しているのではないだろうか。
********************************
Rose Roomで私たちが提案するのは、壁面緑化の技術を持ったアーティストが植えた植物に、切り花をさすことができる機能を備えた額縁。
ハレ(切り花)とケ(鉢植え)の融合。
室内での植物とのより親しい関係を築き、人間の生活にハレとケのメカニズムを取り戻すために。