陽向を連れて、上野の不忍池でスワンボートに乗った。
安全のため、ボートのまん中に乗せると目の前にはハンドル。ハンドルを握って大喜びの陽向は、私がハンドルを触ろうとすると、容赦なく噛みついてくる、凶暴な船長となった。
しかし、ハンドルを動かし続ける割には、ボートは右回りにぐるぐるまわるのみで、最後は船長に腕を噛みつかれながら、ボートを元の位置に返した。
辺りは暗くなり始めていた。私たちは最後の客だった。
その後、肩車をして地下鉄の駅へ向かうが、ボート乗り場にベビーカーを預けていたことを思い出して、踵を返して来た道を急いで戻る。
ボート乗り場は建物に灯りは点いているが、入口のシャッターが下りていた。
シャッターをたたくのも行儀が悪いと思い、陽向をシャッターの前に残して、建物のドアか窓がないか探しに行く。
すると、陽向がシャッターを容赦なくガンガンと叩く音が聞こえ、中から人が出てきて、無事ベビーカーを返してもらう。･･･や、やるじゃないすか、船長。
２歳２ヶ月の陽向と初めて共同で問題を解決した記念すべき日。今日は子供の日。
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