２０年ほど前に浅草で見つけた傘屋で番傘を衝動買いした。それから１０年使い続け、１０年ほど前に電車に置き忘れて失くした。
番傘をさすと、雨の音が楽しい。雨が跳ね返って、パラパラと明るい音がする。
強風にも強い。少々の風では壊れない。
そして、他の傘と間違えて持っていかれることがない。
持った感触や、重さも好きだ。
だが、失くしたときは探そうとしなかった。なぜだろう？きっと、愉しむという心持ちに抵抗を感じる時期だったのだろう。
１０年ぶりに浅草の同じ店で買った番傘。今度はずっと愉しもうと思う。
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