gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 地球交響曲第三番

およそ35億年前に地球に生命が誕生し、それから20億年経って命はオスとメスをつくり、それとともに「死」が命の仕組みの中にプログラムされた、というナレーションで始まるこの映画を、グリッドフレームの創設直前に観た。

死によって生物は進化を遂げ、これほどの多様な種を地球上にもたらした。死こそは、創造の原点であり、次の世代へ創造のバトンを受け渡していくキーである。映画はそれを撮影直前にクマに襲われて亡くなった星野道夫やその家族や友人たちの言葉を軸に、くりかえし語りかける。

グリッドフレームの設立は、私にとって「つくるという行為に死を組み込む」ことへの挑戦の船出であった。この映画がどれほどそのときの私を勇気づけただろう。

先程、久しぶりにこの映画を観終えて、感謝の念を新たにしている。時代は、確実に15年前とは変わってきている。その間に、私に何ができたわけでもない。しかし、その間に起こった悲劇的な出来事は、多くの死や悲しみを伴いながらも、時代を深い場所で良い方向へ導く可能性を秘めている。

死や悲しみを乗り越えようとする力は、それを無駄に終わらせない、という信念だ。それ以外に、残された者たちにできることがあるだろうか。

時代は確実によくなっていく。今、そう信じる力とともに、未来へのイメージをできうるかぎり明確に抱き、現実に立ち向かっていこう。

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