2007年。ドイツ・トルコ・イタリア。
ドイツとトルコを舞台に描かれる、3組の親子の物語。
3組の親子が互いに複雑にからみあう糸のように関係をなし、時に互いを救い合う。
この6人のうち、2人が死ぬことになるが、その死はあたかも犠牲祭のいけにえのように、人と人を結ぶ力となる。
親は子供の中に自分を見い出し、子供はそれを自覚して親の潜在的な願望を自らによって実現しようとする。
たとえ、表面的には敵対することになっても、そのようにして親子はつながっている。
ハンナ・シグラの静かな悲しみの演技が、布に水が浸みていくように、そのことを確実に伝えている。