春がやってきた。そろそろ蝶の舞う季節がやってくる。
子供の頃、盲導犬の飼育係が主人公の漫画があった。まだ何も教育されていない子犬は、訓練の最中に目の前に飛んできた蝶を追いかけて、飼育係にひどく叱られる。
私は蝶を追いかけることを禁止された犬に大いに同情した。
学問にしろ、仕事にしろ、ほとんどの場合は目の前に飛んできた蝶を追いかけていては進まない。だが、創造を仕事とするときだけは、心おきなく蝶を追うことができるだろう。(詩人が蝶を追いかけるのを止める権利のある人がいるだろうか)
私は心おきなく蝶を追いかけたい。