gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 海を飛ぶ夢

28年前、海で事故に遭い、その後ずっと顔だけしか動かない生活。ずっと、あたたかい愛情で包み込む家族。しかし、彼は死を渇望し、尊厳死を求めて法廷で争う。

同じ状況にあって、必死に生きようとする人たちもいる。

「なぜ、自分だけ人生に満足できないんだろう?」夜中、悲痛の叫びを上げながら慟哭する。周囲はその叫びをどうすることもできない。

行き場のない、自由を求める心。これでも神があるだろうか?

森敦は「意味の変容」の中で、「外部から見ればどちらが大きい、こちらが小さいということは言える。しかし、内部から見れば等しく世界であって、どちらが大きい、こちらが小さいなどということは言えない。」と書いた。

人は、自分の生きる世界を内部から見、そして外部から見る。内部から見るときは、無限の広がりを呈していた世界が、外部からの視点では、耐えがたく窮屈な世界として映る。しかし、どちらも等しく自分にとっての現実である。

どのような現実にも耐えられる方法があるとは思わない。だが、「海を飛ぶ夢」を見る間は、心が安らいでいられるはずだ。

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