1927年のドイツが舞台である。
上流階級の若者たちのパーティは、この時代にして、こんなにも頽廃的だ。映像はただ美しく、バカ騒ぎと死は、すぐ隣合わせにある。
死の理由は簡単には理解できない。19歳にして、人生の最も輝いた瞬間を過ぎ、その後はただその瞬間を忘れられないという罰を受ける人生が待っているだけ、と言い切るギュンター。
このような青春映画は、肉体を感じさせる何かがある。それに触れて力を入れると、指が血に濡れて、やわらかい反力を感じるような、そんな肉感である。私はそれが好きではないが、なにかゾクッとさせる力があることは認めなければならない。
ただ、それは、間もなくドイツを次の大戦へと追い込んでいったものと何かしら関係があるような、そんな類いの力に思える。