gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

映画 カティンの森

淡々と工場の流れ作業のように人が殺されていく様が描かれていた。これが歴史的事実というものなのだろう。

兵士は、相手の名前と顔を覚えると、相手を殺せなくなる、というようなことをどこかで読んだことがある。流れ作業のように人を殺せるのは、人間を工場の部品くらいにも思えないような状況がありうるということだ。

ホロコーストの写真にも、ゴミが積み上げられているかのように、死体が積み上げられているものがある。それを人間の写真として見るには、努力が必要なくらいだ。そのとき、私の目は、戦争犯罪者の目に近づいているのだろうか。

静かな映画だからこそ、目をそらすことができなかった。歴史的事実に、音楽はいらない。