農林水産省の植物工場普及のためのページで、植物工場の普及により期待される効果として、<「できたものを売る」から「売れるものをつくる」へ>とある。
農産物は、植物工場によって、「できたもの」から「つくる」ものに変わる、というのである。もちろん、主旨はわかるが、生き物である限りは、「つくる」ものであるより、「できたもの」であってほしい、という想いが人間にはある、と思う。
例えば、「赤ちゃんができた」というのと、「赤ちゃんをつくる」というのとでは、ずいぶんニュアンスが違うように。
「できた」という表現には感謝の念が伴う。おいしい野菜を食べるときには、自然に感謝したい気持ちになる。野菜が単につくられたものであってほしくない理由はそこにあるだろう。
<「できたものを売る」から「売れるものをつくる」へ>という言葉からは、バラ色の未来が見えてこない。