gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

錆びた建物

1992年にスペインのセビリア万博があった。その3年後に万博跡地を訪れたときの写真である。

スチールの建物に全く塗装を施していなかったのか、建物全体が錆びていた。錆びだれが周囲のアスファルトを汚していた。当時はもう廃墟になっていたのか、人の気配は感じられなかった。

「汚しうる美」を追求している、と言っても、どんな錆でも好きだというわけではない。薄っぺらい鉄板を感じさせて、いかにもテンポラリーなビルという雰囲気だった。それに、元々廃墟はあまり好きではない。

が、そのまま放置するのは、大実験である。元々はどんな外観だったのだろうか。なぜ、こんなに錆びるまで放置されることになったのだろうか。好奇心は尽きない。

もし、厚い鉄板を感じさせてくれる建物だったら、そして、当時も使用されている建物だったら、たくさんのインスピレーションを与えられたに違いない。