人間一人ひとりが、他の動物から見ればほとんど神のごとく圧倒的に優れた能力の持ち主であり、その意味では個人差などわずかな誤差に過ぎないと信じています
豊富な資源に満ちている美しい地球環境も含めて、本来ぼくらは何かを求める必要がないくらいに与えられて生まれてきます
しかし、現代社会は、体一つの人間を何も持たない数字のゼロと見なすのです
そのために永遠を常に渇望して生産に駆り立てられ、数字を増やそうとします
この数字を増やすゲームの中で多くの利他的な会社が窮地に立たされている現状があると思うのです
この世の中は、「不自由だけど守られる世界」(A)と「守られないけれど自由な世界」(B)がパラレルワールドのように同じ場に存在していると認識しています
Aは、何も持たない人間をゼロと見なす世界であり、新自由主義社会は完全にこれに属します
Bは、人間なら誰もが何も持たなくても神のように優れた能力の持ち主と見る世界です
私たちは、この二つの世界を行ったり来たりしながら生きているはずですが、ひとつの大きな問題はAの世界が生み出すものは長期的視野が欠けてしまう、ということだと思っています
低血糖症を患う息子を育てていると、コンビニを筆頭に、外で食べるものの中に、彼が安全に食べられる食べ物がほとんど皆無であることに気づきます
対処療法的な問題解決では、根本的な環境改善は進みません
根本的に世界を健全に保つ視野の獲得には、Bの世界からのフィードバックが必ず必要になります
空間をつくる会社GFが未来の社会に貢献できると信じている理由は、AとBの空間には物理的に明確な差異がある、ということをずっと意識してきたからです
Aの空間にはそれがないけれど、Bの空間には「初めて出会った何かがそこにある」ということです
私たちGRIDFRAMEにはBの空間をAの空間に挿入していく力があります
今までも純粋にBのみをつくったことはありません
機能が前提の空間である限りは、Aがベースです
Aの空間の一部にBの空間を挿入することの大切さをアピールしていきたいと思います