熊本で愉しい日々を過ごした陽向が、東京へ帰る飛行機へ乗り込む直前に走って引き返そうとする事件を起こした。
本人も周囲を困らせることとの葛藤はあって、結局彼の方から飛行機に再度乗り込んで事なきを得た。
定刻に出発できたので、なんとかご迷惑をかけることは最小限にとどまり、彼の数多くの奇行のひとつとしてぼくらからも忘れ去られていくことになるだろう。
一日にいくつもびっくりさせられることを繰り返すと、近くにいる者としては慣れないとやっていけない。
何よりも本人が直後からケロッとしているから、ばかばかしい気持ちになる。
今回も、そうかそんなに愉しかったんだね、熊本は。
その感想に尽きる。
熊本で世話になった母や姉に報告したら、大笑いしていた。
そう、それでいい。