gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

大分 湯平温泉

湯平温泉は山奥深い場所にある。

 

昨年の豪雨でひどく被害を受けた。川の護岸が崩れ、崩れ落ちた建物もある。痛々しい姿を残しつつも、坂ばかりの石畳を中心とした集落は、情緒に溢れている。温泉宿の女将もはつらつとして、逆に来客に活力をくれる。

 

石畳を散歩しながら、たくさんのSOTOCHIKU素材を見つけて回った。地衣類をまとった石やコンクリート、木、鉄がそこらじゅうでぼくを待っている。地衣類は黒、白、赤、オレンジ、黄、薄緑、薄青、茶、などあらゆる色を見つけることができる。

 

中でも、地蔵を中心に置いた石のオブジェには、地衣類にシダ類が組み合わさって、驚くような立体的表面を形成していた。地蔵はこれらの生物を引き寄せて、醸し出すパワーを劇的に増しているように映った。

 

こういうものに目が行き始めると、環境から感受する情報が飛躍的に増える。当然、歩いていて飽きることがない。

 

山奥の温泉街だからこそ、自然が人工物の方へ入り込んでくる様子を多く見い出せる。

 

そう思うと、水害にもまたその一面があり、客の立場からすると、すべてをネガティブにとらえる必要はない。