ぼくにとってのメインは、鋸山の石切場跡だった。石の切り出し方は、どうやら一辺数m規模の直方体をパズルのように切り出していくようだが、山が崩れないようにどんな計算をしているのか。
本当は出入り禁止らしい、山に開けられた穴に入ると、自然の洞窟とは違った、直線に囲まれた空間に、これまで感じたことのない感覚を得て、この感覚が何であるかを確認するために、ここで数日過ごしてみたい、と思った。
町も安全を担保できるなら、宿泊施設にしたらよいと思う。
石の表面には直線的な模様がついていて、その模様に沿って地衣類や苔類がくっついている。美しい。
次回挑戦するときは、地衣類採取の小袋を準備して、小さなサイフォンを運んで石切場の穴の中でゆっくりコーヒーを飲みたい。
佐谷さんたちなら、付き合ってくれるだろう。