「この野郎、調子に乗りやがって・・・」という人間に対する恨みの感情を抑えることは難しい。それは世界中で共通だろうが、日本においてはよりたちが悪い問題として立ちはだかる。
なぜなら、自分に何らかの落ち度を見いだすとき、「調子に乗ってはいけない」という他人からの視線を過度に意識するために、いっそう委縮してしまうからだ。
柳田邦夫氏によると、日本ではさまざまな事故や問題が起きた場合の原因追及に対する隠蔽が多いという。それは、原因追及と責任の追及を分けないからだという。
太平洋戦争時にも、上記を明確に分けるアメリカとの差が歴然と結果に表れて、日本は戦局を不利にしていったそうだ。
ぼく自身も、この傾向は明らかにある。相手に対して何らかの負い目を抱えていると、委縮してしまうのだ。
どんなときも堂々と進めるべきことを進めるためには、「自分のことは棚に上げる」ことを許してもらうしかないときがある。恨みをかっても、進めなければならないことは多い。
それを成すのに必要なのは、勇気だ。