2004年。アメリカ。
過去に戻ることができる特殊能力を持った主人公が、ある地点へ戻ることを繰り返して、だれも不幸にならない結果にならない限り、それを止めない。
その度に、主人公の境遇も変わるから、次の地点へ戻ろうとしても、それ自体に困難が伴うこともある。
この手の映画はアメリカ映画に多いが、そこから読み取れるのは、「人間の性格は境遇によって規定される」という信念である。
「一人一人の違いは、持って生まれた能力の違いによっては決まらない」。実際に、この映画の中では、どの地点に戻るかによって、何度も立場が逆転する。それを前提とすることは、「人種のるつぼ」といわれる国としては最重要の視点であるかもしれないが、その一方で、「人はとりかえのきく存在である」という視点を簡単につくり出してしまう一面を持っているかもしれない。
アメリカという国を現在のようにしてきたのは、この信念によるのではないか?