「男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」とは、映画「野生の証明」のキャッチコピーだった。久しぶりに思い出したので、webで調べてみると、ハードボイルドの作家レイモンド・チャンドラーの「プレイバック」という本の一節から来ているらしい。
10代前半に聞いた言葉を今もそらで言えるのだから、ぼくにとってはインパクトがあったのだろう。
強さと優しさ。これらを併せ持つ大人、とは、少年にとってシンプルな目標になりうる。
そして、特に男に必要だとされている理由を、折節考えながら、年を重ねていく。
どこかの時点で、強さとはやさしい気持ちのことだ、と気づく。