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２０１１年から続くシリア内戦で、瓦礫に完全に埋まった赤ん坊を大人たちが掘り出すと、掘り出された赤ん坊はほぼ無傷で生還した、という様子を収めた動画である。
赤ん坊の手が動いたとき、ぼくは一瞬自分の目を疑った。
人間は一瞬にして死んでしまう生き物でもあるが、このように、死なない生き物でもある。
この赤ん坊の生命力は、すべての人間に｢生きろ」という強烈なメッセージとなって伝わるだろう。
「いやあ、まいったなあ」とでも言い出しそうな、この不満げな表情といい、怨みの念を衝きぬけているかのようだ。
彼を掘り出した大人たちの興奮が消し去られてしまったかのような「静寂」を、ぼくはこの赤ん坊に見い出した。
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