gridframe001の日記

とりかえのきかない世界を生きるために

2015.1

「創造性の連鎖」の実践 4

<4.グリッドフレームからクライアントへ>上記のようなプロセスでできあがったお店には、つくり手全員のよいものをつくろうという想い(=魂)が集積されます。これによって、一人の設計者の意図によって閉じられない、エネルギーが高い、よい意味で未完…

「創造性の連鎖」の実践 3

<2.基本設計者から詳細設計者・現場監督・制作スタッフへのリレー>さて、基本設計者は、プロジェクトが正式に始まると、早速、詳細設計者・現場監督・制作スタッフにバトンを渡す打合せを行います。バトンを渡す側は、プロジェクトの詳細条件、クライア…

「創造性の連鎖」の実践 2

<1.クライアントから基本設計者へのリレー>まずは、クライアントのインタビューから始まります。クライアントの心を表すことが目的ですから、クライアントの言葉や醸し出す何か、がお店づくりの源泉です。これから、お店づくりの旅へ出るために同じ船に…

「創造性の連鎖」の実践 1

「創造性の連鎖」は、グリッドフレームが考案して、空間づくりに実施している、チームで何かを創造的につくる場合の方法です。きっと空間づくり以外でも応用できるのではないか、と思います。その目的は、空間をチームでつくっていく場合に、最もよい空間を…

ファサード

建物の正面をファサードと呼ぶ。建物の顔といってもいい。建てられるときは、かっこよくデザインされたにもかかわらず、その後使い始めるとダサくなってしまうことは少なくない。特に、商業ビル。原因は、看板だ、と言われる。テナントたちは、互いにより目…

祈り

毎朝夕、乃木神社の前を通ると、立ち止まって鳥居へ向かって一礼する人をよく見かける。生きていた特定の人が神として祀り上げられることには不思議な感覚がある。けれど、乃木神社の前を通ると、亡き祖父母や父のことを思い出すのは、きっと乃木希典という…

カタログから選ぶのはきらいだ

空間の主要な部分を生の素材からつくることが、グリッドフレームのつくりかたの特徴だ。できれば、カタログからは選びたくない。選ぶという行為と、つくり出すという行為とは、本質的に頭を使う部分が違う。つくり出すためには、現実へ向きあう覚悟がより必…

HP

HPで、どのようにぼくらを表現するか。ぼくらにできることは何か、を伝えるために、自分たちを見つめ直す作業がつづいている。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← コラボで実験しながらつくるオリジナル素材による店舗デザイン:マ…

安心と怒り

怒りにもいろんな種類があるかもしれないが・・・。ある種の怒りをあらわにする人は、その瞬間、自分の身を安全なところへ置いている。逆に言えば、自分が現実の不安から一瞬でも逃避するために、誰かへ向けて怒りをあらわにするのだ。だから、例えば、怒ってい…

クライアントへの共感

ぼくがこの仕事をやっていて、幸せを感じるのは、社会にとってよいことをした、と思えたときだ。それは、つまり、ぼくらのつくった空間がクライアントの成功に少しでも貢献して、それが社会をよりよくしていると実感できるときだ。クライアントへの共感がな…

頼まれる

仕事を頼まれるとは、見ず知らずの方から信頼を受けて、その人の人生の大事な部分を任される、ということだ。任された結果がよいことの確実性を、頼む側は事前に判断して、ぼくらに頼んでくださる。ぼくらは確実によい結果を出さなくてはならない。そして、…

奇蹟

妻の発言は、ときおり奇蹟のように光を放つことがある。それも、決して予想できないタイミングで発せられる。そして、たぶん、その光を感じるのはぼくだけだ。一緒に暮らしている、ということがなせる業なのだろうか。これまでに、何度もその光に救われてき…

ひたむき

200ページの論文を持って、アメリカから帰ってきたのはもう19年も前のことになる。その論文を大量にコピーして、会う人、会う人に、片っ端から配ってまわった。そして、その内容について、長い時間しゃべりつづけた。みんなには迷惑だったろう。辛抱強…

マテリアルス実験工場のHP

1. 挑戦するクライアントのために マテリアルス実験工場は、㈱グリッドフレームの核となるつくり方を支える一プロジェクトです。1998年創業の㈱グリッドフレームは、墨田区に自社工場を構え、 店舗空間やオフィス空間をはじめとして、400件以上のさま…

提案スケッチ

プロジェクトの提案時のパースを、より抽象的にしようと考えている。ぼくらが空間をつくる中で行っている「創造性の連鎖」のシステムとは、次の担当者へ受け渡されたら、そこでまた創造がなされるというものであるが、上流側でどのくらい決まっているかが、…

連結

陽向が覚えた熟語で、一番速かったのは「連結」という言葉だ。電車や機関車に興味を持つと、必ずこの言葉にぶつかるからだ。家族3人で歩いていると、必ず「連結!」と言われて、縦につながったり、横に手をつないだりさせられる。やれやれ、と思いながら、…

実験工場

この言葉にピンと来た。半年間、休眠状態だったマテリアルスをどのように復活させるか。現在、002とそれに対して集中している。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス← 未来の町並み…

アートとビジネス

http://www.kojinkaratani.com/jp/bookrv/post-19.html柄谷行人は上の書評で次のように書いている。『芸術は市場によってよりも、政府や企業・ブルジョアからの贈与によって成り立っている。』『芸術家は概して貧しい。それは第一に、芸術家が必要以上の金を…

品川埠頭へ

今日は、家族3人で品川埠頭へ向けて13kmのジョギング。とはいえ、4歳の陽向はそんなに走れない。だから、今では体がはみ出してしまうベビーカーに乗せて、ぼくが押して走る。海まで走る、ということに憧れを感じて、広尾、天現寺、高輪、五反田、品川を…

限界を超えるためのシステム(デザインビルドの究極のかたち)

デザインとビルドが分かれている場合、もちろんビルド側もよいものをつくろうとしてきただろう。だが、その場合の最大の問題点は、ビルド側が「常識の枠にとらわれる」ことである。ここでいう「常識の枠」とは、倫理やアートの問題に属するものだ。表現に関…

寒さ

寒さを感じるか、どうか、はどうやら、心の具合に因るようだ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス← 未来の町並みをつくるファサードデザイン:GFファサード&サイン

デザインビルド

グリッドフレームのHPの冒頭を次のように変更した。ぼくらを理解してもらうためには、デザインビルドという言葉で紹介するのが、一番分かりやすいと思うからだ。+++++++++++デザイン-ビルド(Design-Build)とは、広義には設計と施工を一つの契約…

weathering

(photo by Eiji Kakugawa)2013年秋に完成したKojima for Beautyの外壁。その後に降った数え切れない雨が、モルタルの表面にあるカルシウムを溶かして、縦にたくさんの白い線を引く。時は、静かにぼくたちのつくった空間に手を加えてくれて、ぼくらの手か…

寿司屋

昼飯を食べに、通りがかりの小さな寿司屋へ入った。いつも帽子を被っている私は、不覚にもそのままカウンターへ座った。そして、大将の握った寿司を口に入れようとした瞬間、大将が話しかけてきた。「お客さんは、食べるときも帽子をお脱ぎにならないんです…

喜び

苦悩は空間に注入された気体のように、全身に満遍なく拡がる。その大小には関係なく。そして、それは喜びも同じだ・・・とホロコーストで収容されたユダヤ人の学者フランクルは体験記『夜と霧』の中で言う。(この言葉については、5年前に一度書いている。 http…

可能体

11月にマラソンを走ったとき、ベルトポーチにサプリメントをたくさん入れて走ったら、全部飲んだわけじゃないけれど、いつもよりずいぶん楽に走りきれた。もちろん、効能もあったとは思うが、なにより、強い味方がいる、という安心感があることで、追い詰め…

闇の中で石を投げても、どこへ飛んだか全く分からないではないか。光を探せ。まず、光を探せ。 ← 創造性の連鎖でつくる店舗デザイン:グリッドフレーム ← 五感に働きかける店舗内装デザイン:マテリアルス← 未来の町並みをつくるファサードデザイン:GFファ…

リアクション

上流から来たものに対して、リアクションとしての制作を連鎖していくのが、『創造性の連鎖』のつくるあり方だ。リアクションの楽しみは、使う素材の幅を広げることによって、さらに増大する。ある素材が持っている個性は、ぼくらによって発見され、そのリア…

初夢

妻は初夢にスマップの夢を見ることが何回かあったらしいが、ぼくはあまり内容を憶えていないことが多い。今年も内容はよく憶えていないが、夢の中で一緒にいた人が、しばらく後に違う人に代わっていたことだけはよく憶えている。この不安定さが夢の醍醐味(?…

九十九里浜

ぼくは陽向の目を通して世界を見ているような気持ちになることがある。陽向がしっかりと見つめている先は、海の上を流れる雲だ。こんな雲らしい雲を見ることができる幸せがここにはある。ここで海を感じることは、ぼくらにとって地球を感じることだ。いつも…