夜、陽向を連れて家から10分ほど歩いて薬局へ。
買い物の間、いつもはそばから離れない陽向だが、奥で品物を探している間に傍からいなくなる。
驚いて店内を探し回るが、どこにもいない。どこにいるのか、全く想像がつかない。あせる。
家へ帰る方に向かうと、すぐ近くに交番があるので、そこへ行ってみる。すると、家の方向から、陽向がおまわりさんに手を引かれてこちら側へ来るではないか。
慌てて駆け寄ると、歩いて5分くらい離れた場所まで一人で歩いていたところを保護してくださったそうだ。すれ違った男性が交番へ連絡してくださったという。
「陽向、何してんの!」と言うが、陽向はきょとんとしている。でも、こちらが心配をしていた様子を見て、申し訳ないとは思ったようで、すまなそうな表情はしている。
そのときは、なにがなんだかわからなかったが、たぶん陽向は一人で帰れる、ということをぼくや母親に示したかったのだろう。
ぼくも迷子になって大泣きした記憶があるが、ちょうど陽向くらいの年のことだったろう。
これから、たまには陽向をひとり歩かせて、気づかれないように少し後ろからついていったりすることも必要かな。妻とそう話した。